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中小企業における「両利きの経営」とは

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こんにちは。
1→10期の経営者の経営者を支えるパートナー(伴走業)として14年目、株式会社ビズラボ 人見康子です。 この度は『ビズラボメンバーズ』をご覧いただき、誠にありがとうございます。

1→10期とは:創業からの成長を3期に分類した2つ目
詳細は『ここでお伝えしていること』をご覧ください。

このサイトでは、経営者でありながらプレイヤーとしても走り回っておられる中小企業経営者の皆様に、忙しい中でも読みやすいコンパクトな記事を提供しています。

今回のテーマは タイトル 「中小企業における両利きの経営とは」です。

両利きの経営という概念は、特に大企業を対象にした文献によって広く知られるようになりましたが、その原則は中小企業にとっても同じく重要です。ここでは、中小企業経営者向けに、この戦略の鍵や前提となる要素を解説します。

両利きの経営の重要性

「両利きの経営」とは、既存のビジネスを効率的に運営し収益を上げる「現行事業の最適化」と、新しいビジネスチャンスを探求し将来の成長を図る「新規事業の探求」の二つを同時に行う経営手法を指しています。

この考え方は、企業が長期的に競争力を保ち続けるためには、現在のビジネスモデルを効率的に運営しながらも、新しい技術や市場の変化に対応して、革新的な事業やサービスを開発する必要があるという考えにもとづいています。つまり、「左手で現在の事業をしっかりと支えつつ、右手で新しい挑戦を行う」というイメージです。

そして既存事業の安定化と新規事業の創出は、中小企業にとっても不可欠です。

(少し脱線)経営者に好評の付箋付きの本

さて「両利きの経営」は、写真の著書により有名になった言葉です。

両利きの経営〜「二兎を追う」戦略が未来を切り拓く〜 東洋経済新報社. 2019年、著:チャールズ・A・オライリー、マイケル・L・タッシュマン、日本語版には、入山章栄氏と冨山和彦氏による「W解説」が収録

写真はわたしの本です。いつもこのように付箋でいっぱいになります。この本を中小企業の経営者さんたちは、貸してほしいとおっしゃいます。(もちろん購入もされるのですが、付箋の位置をコピーするように付箋を貼ってからお読みになられます)。
「全ページを読んでいる時間もない、付箋部だけ読めば、エッセンスはわかるので」と、喜んでくださいます。

ちなみに、、、ピンクの小さいものは、私自身にとってもハイライトとなる箇所。
黄色の太めの付箋は、その経営者さまの課題に応じて追加でつけている付箋です。



中小企業における両利きの経営の適用

中小企業において、現行事業の運営と並行して新たなビジネスチャンスを模索する、経営の持続性を確保するため、非常に重要であることは言うまでもなく、先ほど不可欠とも書きましたが、現実可能でしょうか?

中小企業経営者は多忙を極めます。
社員たちもそれぞれの実務に追われています。
資源も限られている・・・。

整理のために、次に図にしてみました。

左手:既存事業については、
1、護る
2、深化させる
が考えられるでしょう。

そして
右手:新規事業
3、創る

図の1、2そして3について、
リーダーであり、かつ、内容によっては実務も行うことなります。

もう少し考察してみます。

既存事業と新規事業のバランス

一般的に、既存事業の運営は、予測可能な収益を生み出し、企業の基盤を安定させます。これは、日々のオペレーションを効率化し、収益性を高めることで達成されます。

一方で、新規事業の探求は、未知の市場や技術に挑戦し、企業の将来を形作るイノベーションを追求することに他なりません。これには、リスクを受け入れ、失敗から学ぶ姿勢が必要です。

つまり、

既存事業はオペレーション、新規事業はイノベーション

既存事業はオペレーション、新規事業はイノベーションである、
この真逆の活動を同時に実現する必要があります。

表をご覧ください。

1、既存事業、オペレーションとは、
予測可能であり、安定的に効率を上げ、ミスを減らし、収益を上げることが求められます。

3、新規事業、イノベーションとは、
これは、着想と実験の連続、成功するまで失敗であり、予測不可能であり、リスクを採る必要があります。

尚、2、既存事業の深化とは、市場の横展開など延長線にある場合、1に近く(営業力にもよりますが)
逆に不連続であれば、3に近くなります。

この詳細はテンプレート化可能です。
また 両利きの経営〜事業を深掘りする〜 の章で書いてまいります。

ここでお伝えしたいこと
2既存事業の深化は、1既存事業を護るに近いものと、3新規事業を創る、
どちらかにに近くなるため、
アクションとしては、2分割できることをお伝えしたいと思います。



そしてここでの結論です。
多くの中小企業において、現場を知っている感覚から申し上げると
3、新規事業を創る は経営者しかできないでしょう。



そもそも既存事業のオペレーションは確立しているか?


さて、実は中小企業において、両利きの経営を考える、が今回のテーマです、
新規事業については、経営者しかできない、という現実があります。

中小企業において特筆すべき点が、もうひとつあります。

既存事業はオペレーションとさらっと書きましたが、ここに一番の問題があるでしょう。

それは、1既存事業のオペレーションを護る、より効率を上げる、スピードアップを計るという”ここ”ですが、
中小企業でも、この通りの文脈で、違和感なく読むことのできる企業さまは、成熟した企業、大企業向けの著書の理論通り、文脈通りお考えいただければと思います。

既存事業の組織化(オペレーション化)をする、組織化がまだまだ発展途上である中小企業さま、もっと書きますと”苦手”とまでおっしゃる経営者さんも多くおられます。
事実、得意・苦手ということではなく、どなたがなさっても大変ともいえるのですが。

ここで面白いことに、既存事業が日々手作り、、、の状態であるにも関わらず、
つまり、1既存事業が未完成であっても、3新規事業をどんどん思いつき、0→1してしまう社長さんはすごく多いのです。
3はお上手な方が多いです。最近はスモールM&Aも可能です。
どの事業も小さいままになる懸念はありますが・・・。

よって、両利きの経営と書きましたが、中小企業で第一に注視すべきは、既存事業のオペレーションがどのレベルにあるか、未完成であれば、まず確立することでしょう。
オペレーションを確立することにより、経営者自身はその事業に関する自分の役割を手放してください。
(このビズラボメンバーズで書いているテーマそのものです)

既存事業が回転することで、安定した収益をもたらすと同時に仕組み(組織)により運営が可能となります。

そして経営者ご自身という経営資源を、腰を据えて、次の新規事業創造〜仕組み化(組織化、オペレーション化)にあてることができます。

こうして経営のバランスを取ることが重要です。中小企業も変化の激しいビジネス環境の中で生き残り、成長することが可能になります。

中小企業経営者の皆さまが、この両利きの経営戦略を通じて、持続可能な成長と競争力の強化を実現できることを願っています。

――

ビズラボ人見では、これからも経営者の皆様に有益な情報を提供し続けます。皆様のビジネスがさらなる高みに達するために、どうぞ一緒に前進しましょう。

この記事が皆様のお役に立てば幸いです。何かご質問やご意見があれば、例えば「うちの業種では?」など、お気軽にご連絡ください。無料です。

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