メンタルを整える
「サイドストーリー」では、気軽に読んでいただけるもの、人見個人のブログに近いものをアップしております。 さて今日は、「危機を乗り越えた経営者は強い」からの続き、「メンタルを整える」と題してお送りしていまいります。
<眠そうな顔で失礼します。岐阜は奥飛騨の平湯温泉にて>
前回の内容です。
タフな精神と判断力と深い懐をもってしても、目まぐるしく変わる世界経済、破産・民事再生など取引先による負のインパクト、経営者の前に立ち塞がる問題は多い。
ところが、実際に危機を複数回乗り越えた経営者は、悠々と構えておられる方も多い。「危機を乗り越えた経営者は強い」。その経営者の方々から学んだことを整理してお伝えしたいと思います。
それは、「備え」。
危機への備えとは
- 1、メンタルを整えるご自身なりの方法を持っている
- 2、発生した問題の原因を他責にせず内省。自らの思考や判断の傾向も見直し、結果成長の機会としている
- 3、危機に強い弾力性ある経営にギアを切り替えている
今回は1つ目、メンタルを整える です。
一般的なストレス対策
申し上げるまでもありませんが、まずストレスを溜めないことが重要でしょう。そしてストレスを感じる際にどのように解消するかということになります。
その一般的な方法としては、ご承知のように次のものが挙げられます。
●生活習慣を整える
バランスの良い食事、良質な睡眠、適度な運動、過度な喫煙や飲酒をしない
●気分転換を行う
音楽、映画鑑賞、入浴、スポーツ、散歩など
●思い込みを転換する思考法を獲得する
●マインドフルネス
●カウンセリング・コーチングを受ける
食事ひとつとっても、その方その方に応じた対応策があるでしょう。
例えば、私ごとで恐縮ですが、(実は病気もしまして、病気ちゃん←感謝、に教えてもらいました)。いまは反省し、クリーンな食を心がけています。クリーンとはなるべく自然のまま、その栄養をいただくという考えです。
食材の選択、添加物の入ったものは極力使わない、無水料理をし、栄養素をしっかりとるようにするといった工夫です。
また、パーソナルトレーナーについていただいて、運動をしております。そしてオキシトシンがでるようにと、最近オフィスにもよく登場するペット型ロボットのLOVOTも迎え入れました。
それができない
上述の習慣を個々に応じて工夫する、確かに重要なことは言うまでもありませんが、経営者さんのお忙しさを考えれば、現実ではないかもしれません。経営者さんのストレスは、そのレベルを超えていると言う方が合っているかもしれません。食事、運動など気をつけていても、私自身、頭の中がいっぱいいっぱいになり、夜中目が覚めることも多くあります。音楽も映画も、聴いているようで観ているようで事実頭には入っていない。
ですのでお恥ずかしい話、上のリストを見て、私自身こう言います。
「良質な睡眠をとるって、それができなんだよ」
「音楽を聞いても、映画を見ても、無理なんだよ」と。
よりタフな状況下で
このサイトでは経営者向けに絞って書いています。
今日の内容では、一般の方々よりずっとタフな状況にある、一定レベルを超えた状態になった際の対処法を書いてみます。
例えば、まだ規模が小さく、いまはまだ売上を少数のクライアントに依存している。そのクライアントの1社がM&Aとなり発注先の基準が変わることになった。今後の取引は見込めない可能性が出てきた、といった状況に遭遇した。そのような時、「頭の中がわなわな〜〜となって、よくわからなくなる」、冷静に努めていても「役員クラス(親族)には、声を荒げてあたってしまう」、また「死にたいとまでは思っていないのに、線路を見ると反応してしまう」という状況です。
このようにかなり状況が良くない状態にある、一般的なストレス解消法ではカバーできない、そのような状況下でどうすべきか、
それは、「扁桃体の暴走」をいかにコントロールするか、ということだと考えます。
「扁桃体の暴走」をコントロール
「扁桃体の暴走」。
専門的な内容は、脳の専門の方にお願いしたいと思います。ここでは一般的な内容とわたしの経験からの内容を書きたいと思います。
一般的な知識として、扁桃体はご承知の通り脳の最も中心にあり危険を察知しアラートを鳴らす場所です。そして不安感の引き金を引く、引くことで危険に対する対策を取ろうと脳の他の場所に緊張感を伝えます。
生き抜くために、この危険察知は重要な役割を担うと言われますが、この暴走が過ぎるとコントロールが聞かなくなり、
・冷静さを欠き適切な対応ができなくなる
・夜中、目が覚めるなど睡眠障害がおきる
・休めなくなり体調に影響を及ぼす
といった状況になるのだと思います。
実はお恥ずかしい話、私自身コロナ明けたあとこの2年ほどいくつか大変な状況が重なりまして、扁桃体の暴走スイッチが入りやすい状態となってしまいました。
扁桃体が暴走していることは自分でも把握はできましたので、気分転換をするように努めたのですが、上記の一般的なストレス解消法、映画を見ても音楽を聞いても、座禅を組んでも、カラオケで大声をだしてもいっこうに回復する様子がありませんでした。
この状態になっていたのです。
「良質な睡眠をとるって、それができなんだよ」
「音楽を聞いても、映画を見ても、無理なんだよ」と。
集中しなければならない状態
ところがそれでも、何かないかと多数試す中で、「これだ」というものに、たどり着くのでした。
あくまでも人見の場合ですが、同じ考え方からお読みの方にとってのこれというものを、何か探していただけると思います。
人見の場合
・心拍数が上がる運動、私の場合50mダッシュを数本行う。
・10m以上の高さでのアクティビティを行う。(ビレイ・命綱のあるタイプ)
(フリークライミング、ジップライン、プロジェクトアドベンチャーなど)
・2000m以上の山に登る。
・鬱・不眠に効能がある温泉へ行く(わたしが訪れたのは奥飛騨の平湯温泉でした。写真です)
これがどうしたことでしょう。
脳の中でいっぱいいっぱいになっていた悩みと扁桃体が一定時間切れることを感じました。不安感からしばらく解放されることで、扁桃体の暴走が休まったのです。そして、運動量ある活動でもありますので、その後しっかり睡眠をとることができたのです。回復に向けてギアがはいりました。
結論です。
経営環境など頭がいっぱいになってしまう内容が頭から離れない、扁桃体が暴走するのを止めるには、集中するしかない何かに没頭することで、心配事を考える余裕さえない状態をつくることです。(=10mの高さで行動していると、高さへの緊張でいっぱいいっぱいとなり、浮世のことを考える余裕すらない)。
もちろんゴルフで、釣りで、どなたかとお酒を交わして、扁桃体が休まるのであればそれで十分良いのだと思います。上記は究極のケースです。
脳の中の道をつくる
人によって効果が違うのは、どの情報に対し反応する脳になっているか、脳の中に経路、MAPのようなものがつくられているかなのだと思います。ルーチーンといった言葉がありますが、それぞれの脳内の神経経路には細い、太いがある、上手に扁桃体にアラートを鳴らしている情報を切る、そして他のことに切り替えられる脳のMAPつくりをしていくことがポイントなのだと思われます。
あなたにとってのストレス解消法、また極限状態から回復する方法をどうぞ見つけてください。
経営者20年、30年生の方々は、すでに脳内MAPの切り替え方法をお持ちで、脳内が反応するようにできあがっているようです。
「心配なニュースが入ったら仕事を離れてサウナ」とか、「円高だなあ、、、まず筋トレ、ジムに行ってくるよ」という方が多いのも、頷けます。
<続く>